Weekly digest
教科書の動画の上限案・全国学力調査のCBTサンプル問題・千葉県の部活動ハラスメント指針 — 2026 年 10 月第 3 週の論点
10月13日の教科用図書検定調査審議会で、教科書に載せる動画を1本「3分程度まで」とし、教科書1点あたりの総量にも上限を設ける案が示されました。2027年4月の全国学力・学習状況調査は、小学校・中学校とも国語と算数・数学をすべてCBTで行う予定です。
今週の論点
- 3分と教科別の上限は何に基づくのか — 教科書の動画の長さと総量の上限案
- 2027年4月は国語と算数・数学もCBTで — 全国学力調査のCBTサンプル問題
- 処分の種類で、顧問に戻れる条件を分ける — 千葉県教委の部活動ハラスメント指針
3分と教科別の上限は何に基づくのか — 教科書の動画の長さと総量の上限案
教科書の動画、1本3分を上限に 教科別に総量も制限 検定見直し案
文科省は13日、教科書検定調査審議会を開き、デジタルを含む新たな教科書の検定基準を見直す方針を示した。掲載する動画は1本当たり3分程度までとし、教科書1点当たりの動画の総量にも上限を設ける。教師に代…
10月13日の教科用図書検定調査審議会で、教科書検定の改善に向けた第一次論点整理(案)が示されました。論点整理(案)は、教科書に載せる動画の長さを1本「3分程度まで」とし、教科書1点あたりの総量にも上限を設ける考えを示しました。総量の上限は、小学校の国語・算数で各学年20分などです。
9月の号で扱った骨子案は、総量の上限を定めてはどうかという問いの形で、数値は示していませんでした。具体的な値が出たことで、上限が妥当かどうかを数値に即して議論できるようになりました。
その数値の根拠がどこにあるのかという問いは残ります。論点整理(案)は3分とする理由に、二次元コードの先に合計5時間を超えるような分量の動画を載せた教科書がある現状を挙げています。あわせて「教師による授業づくりを阻害しないようにする観点」と「児童生徒の集中力の観点」も示しています。総量の上限については、教科の特性や年間の授業時数を踏まえて定めるとしています。ただ、なぜ3分なのか、各教科の上限時間をどう決めたのかを示す調査や試算は、公開された資料には見当たりません。9月2日の総括部会に出された部会の意見と全日本中学校長会の資料には、「3分程度が限界」「1~3分程度」といった記述がありました。論点整理(案)は、こうした記述と数値の関係を示していません。
10月13日の議事録は、10月19日の時点でまだ公開されていません。今後の進め方の案では、来年の春頃に総会で最終報告をまとめる予定です。
2027年4月は国語と算数・数学もCBTで — 全国学力調査のCBTサンプル問題
来年度全国学力調査のサンプル問題公表 CBT移行に備え
国立教育政策研究所は9日、令和9年度の全国学力・学習状況調査のサンプル問題を公表した。来年度から国語と算数・数学の調査がコンピューターを使ったCBT方式に移行することを受け、子どもたちが端末上で解答…
文部科学省と国立教育政策研究所(国研)は10月9日、2027年度の全国学力・学習状況調査に向けたCBTのサンプル問題を公開しました。2027年4月の調査は、小学校・中学校とも国語と算数・数学をすべて文科省のCBTシステムで行います。サンプルは過去の出題を基に、本番で使われる可能性のある解答方式を一通り含めたものです。
小学校算数のサンプルでは、記述式の問題を「キーボード入力等」で解答します。選択肢をドラッグする問題や、動画を見てから取り組む問題もあります。
端末の操作に慣れているかどうかで、結果に差が出ないようにしていく必要があります。文科省と国研の報告書は、令和6年度の経年変化分析調査で、紙とCBTの結果を「そのまま比較することは難しい」としています。一部の問題で正答率に大きな差が出たためです。報告書は差が出た算数の1問について、問題文と図の配置、画面のスクロール、数式入力機能への不慣れ、画面に書き込めないことが影響した可能性を挙げています。
文科省の実施方針は、どの端末でも問題なく解答できるよう、問題作成や配信の段階で留意する必要があるとしています。2027年2〜3月には、2026年度の小学5年生と中学2年生がサンプル問題で端末の操作を確かめる事前検証が組まれています。
処分の種類で、顧問に戻れる条件を分ける — 千葉県教委の部活動ハラスメント指針
同じ部への顧問復帰認めず 千葉県教委 停職・減給の処分
千葉県教委は、体罰や不適切な指導で処分を受けた部活動の顧問の復帰制限を盛り込んだ「部活動におけるハラスメント根絶ガイドライン」を作成した。停職・減給となった場合、異動先を含め、同じ運動部・文化部の顧…
千葉県教育委員会は10月9日、部活動におけるハラスメント根絶ガイドラインを公表しました。県内でも顧問等の体罰や不適切な言動で生徒が傷つく事案が後を絶たないとして、ハラスメントの具体例や、相談を受けた学校の対応手順、再発防止策を盛り込みました。
ガイドラインには具体的な内容が書かれていて、分かりやすい構成です。県内で過去に起きた4件の事例を処分の内容とともに掲載し、「保護者の前でも同じ言動をとることができるか」など、指導を点検する4つの観点を示しています。判断に迷ったときは、「指導者にとって正しいか」ではなく「生徒にとって安全で安心か」を最優先にすることが重要だとしています。
顧問が処分等を受けた場合の扱いは、その種類で分けています。懲戒処分のうち停職と減給では、異動先の学校も含めて同じ部の顧問を命じません。少なくとも1年間は、ほかの部の顧問にも復帰できません。懲戒処分のうち戒告と、指導措置の文書訓告・口頭訓告では、少なくとも1年間は同じ部の顧問を命じません。この場合は、1年が過ぎた後に被害生徒の心身の回復と、顧問が再発防止の研修を受けて十分に改善したことが確認されれば、同じ部の顧問に戻ることがあります。
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