Weekly digest
財務省の教員定数への見解・社会人向けの大学院新教育課程・不登校の子どもの学校健診 — 2026 年 10 月第 4 週の論点
財務省は10月22日の財政制度等審議会の分科会で、教師数の拡大は持続可能ではないと考えられるとしました。総務省が公立小中学校52校を調べたところ、7科目の学校健診をどれも受けなかった不登校の子どもは、小学校で5.7%、中学校で19.9%でした。
今週の論点
- ニーズに合わせることと続けられること — 財務省の教員定数への見解と地方六団体の要望
- 1年程度の学びで足りるか — 社会人向けの大学院新教育課程のイメージ
- 不登校の子どもの健診をどこで受けるか — 総務省の学校健診の調査
ニーズに合わせることと続けられること — 財務省の教員定数への見解と地方六団体の要望
教員増の持続可能性に疑問 財務省審議会
財務省は22日、財政制度等審議会の分科会で、教育関係施策についての見解を示した。教員不足問題に関しては、教員定数の改善が不足の大きな要因となっていると指摘。教員を増やすことは持続可能ではなく、1人1…
国と地方が社会保障や教育を議論する場設置へ 首相が表明
高市首相は20日、社会保障や教育に関する政策立案や実施について国と地方が協議する場を新たに設置する考えを示した。関係閣僚の他、全国知事会など地方六団体の代表者でつくる「国と地方の協議の場」で明らかに…
財務省は10月22日の財政制度等審議会の分科会に、文教・科学技術の資料を出しました。資料は、教員の採用倍率の低下などについて、特別支援教育の充実に加え、政策的に教員定数を改善してきたことが大きな要因になっていると考えられるとしています。令和3年度から7年度に小・中学校の教師は2,737人増えたものの、定数が4,248人増えたため、定数に対して足りない「教師不足」はむしろ増加したとしています。そのうえで、新たに大人になる人口が減っていくことから、教師数の拡大は持続可能ではないと考えられるとしています。
その2日前の10月20日、国と地方の協議の場で地方六団体は要望書を出し、教職員定数の着実な改善と、教職員の確保への「必要かつ十分な財政措置」を求めました。首相はこの会議で、社会保障と教育について国と地方が協議する場を設けることにしたと述べました。
財務省の資料には、特別支援学級と特別支援学校で学ぶ児童生徒が2016年の29万人から2025年に50万人へ増えたことも示されています。対象の子どもが増えると教師の手厚い配置が必要になる、という説明も添えられています。
ニーズに合わせて教員を配置していくことと、人口が減るなかで続けられる形を探ることを、並行して考えていく必要があります。
1年程度の学びで足りるか — 社会人向けの大学院新教育課程のイメージ
AI時代の教師像を議論 中教審部会で有識者が報告
中央教育審議会の教員養成部会は22日、生成AIの普及によって教師に求められる専門性の変化などについて有識者から意見を聞いた。 東京学芸大学の堀田龍也副学長は、教材研究や指導計画の作成など教師の知的…
10月22日の中央教育審議会の教員養成部会で、文部科学省は「大学院新教育課程」のカリキュラムのイメージを示しました。教職課程を履修しなかった社会人などが大学院で1年程度学び、普通免許状を得られるようにする案です。受講生は4〜5月に大学で教科指導などを学び、6〜7月は学習支援員などとして学校で週30時間勤務しながら、大学で振り返りを受けます。秋以降も学校での演習を続け、1〜3月に免許を得る流れです。
9月30日の前回の部会では、カリキュラムのイメージが2通り示されていましたが、今回は1つになりました。学校での勤務には給与が支払われるようにして、受講生の経済的な負担を軽くするとしています。
資料は、社会人経験などを通じて身につけた「強み専門性」の20単位分を修得したとみなし、残りの31〜37単位を求めるとしています。資料には「あくまでイメージ」とあり、まずは文部科学省が指定する大学で事例をつくる考えです。カリキュラムのイメージが1つになり、議論は進んでいる様子がうかがえます。ただ、1年程度の学びで足りるかどうかはまだ分からず、部会での検討が欠かせません。
不登校の子どもの健診をどこで受けるか — 総務省の学校健診の調査
不登校の中学生、2割が健診受けず
不登校の小・中学生がどの程度、健康診断を受けているか総務省が昨年度の状況を調べたところ、小学生は5・7%、中学生は19・9%がまったく受けていなかったことが分かった。52校を抽出して調べた。 保護…
総務省行政評価局は10月22日、不登校の子どもの学校健診について調べた結果を、文部科学省などに通知しました。19市町村の公立小中学校52校を調べたところ、令和7年度に7科目の健診をどれも受けなかった不登校の子どもは、小学校で5.7%、中学校で19.9%でした。
受けなかった理由は、全国から選んだ学びの多様化学校やフリースクールなどを通じて集めた、保護者などへの別のアンケートで尋ねています。対象は、不登校の期間に1回以上受けなかったという1,671件の回答です。最も多かったのは、別の日時に受けられるなどの配慮はあったものの、子どもが学校に行くことが難しかったという回答で、33.7%でした。総務省は、調べた52校のうち23校が学校医の医療機関でも受けられるようにしており、そうした学校の方が受診率は高かったとしています。そのうえで文部科学省に、例を紹介してこの受け方を広げるよう求めました。
学校外での健診も認める方向へ、取り組みを進めることが考えられます。