Weekly digest
第5期教育振興基本計画の諮問・教員の私物スマホ利用・10代の自傷検索の保護者通知 — 2026 年 8 月第 3 週の論点
文科相が8月21日、中教審に第5期教育振興基本計画の策定を諮問しました。全教の調査で、5月1日時点の教職員未配置が36都道府県12政令市で少なくとも3,380人でした。Instagramに、10代が自殺・自傷を繰り返し検索すると保護者へ通知する機能が入りました。
今週の論点
- 確保の方策はこれから、未配置はすでに3,380人 — 中教審が次期計画を審議する
- 私物が業務の前提になっている — 教員370人に聞いた公用スマホの整備状況
- 保護者が関与できる余地が1つ増えた — Instagramの自傷・自殺の検索通知
確保の方策はこれから、未配置はすでに3,380人 — 中教審が次期計画を審議する
AI・人口減少踏まえた教育政策 振興計画を諮問
松本文科相(右)から諮問を受ける橋本雅博・中教審会長 松本洋平文科相は21日、中央教育審議会に第5期教育振興基本計画の策定を諮問した。生成AIなどの技術革新や人口減少が急速に進む中、2040年以降の…
教員未配置、5月時点で全国に3000人以上
全日本教職員組合(全教)が今年5月1日時点で公立学校の教職員配置状況を調べたところ、少なくとも3380人が未配置となっていたことが分かった。学校種別の内訳は小学校が1070人、中学校が1048人、高…
松本洋平文部科学大臣が8月21日、中央教育審議会に第5期教育振興基本計画の策定を諮問しました。対象期間は令和10年度から令和14年度までの5年間です。
全日本教職員組合は8月3日、5月1日時点の教職員未配置を集計した結果を公表しました。36都道府県12政令市で3,380人、回答のあったすべての自治体に未配置がありました。
諮問文は、不登校児童生徒や特別な支援を要する児童生徒の増加、外国人児童生徒を含む在留外国人の増加などに触れています。そのうえで「担い手となる教職員等の存在が不可欠」として、学校における働き方改革を一層推進するとともに、教職員や支援スタッフを確保し続けるなどの環境整備を検討課題に挙げています。
第5期計画で確保の方策をどうするかはこれから議論しますが、多くの学校で教職員の未配置が起きています。集計の対象は36都道府県12政令市で、全国の教職員の66.0%にあたる範囲です。全教はこれを「少なくとも」の数としており、担任も少なくとも88人含まれています。早急に議論する必要があります。
計画が始まるのは令和10年度からです。子どもと教員の双方のためになる中身を、中教審に期待します。
私物が業務の前提になっている — 教員370人に聞いた公用スマホの整備状況
私物スマホを業務利用、教員3割
文科省で会見する、妹尾さん(左)と、Skyの大川浩平さん 一般社団法人「ライフ&ワーク」の妹尾昌俊代表理事は8月20日、教員の公用スマートフォン(スマホ)の整備状況などについての調査結果を発表した。…
ライフ&ワークの妹尾昌俊代表理事が8月20日、公立学校の教員370人にウェブで聞いた調査結果を発表しました。調査には、公用スマホの配備に取り組むSkyが協力しています。公用スマホが支給・配備されていないと答えた教員は83%、私物のスマホを毎日業務で使っている教員は34%にのぼります。
私物の端末を業務に使う構図そのものに無理があります。学校が支給していない以上、教職員間の連絡も、調べものも、緊急時の対応も、教員個人の持ち物と回線に頼らざるをえない場面が出てきます。私物のスマホを業務で使っている教員に負担を複数回答で聞くと、最も多かったのは「勤務時間外に連絡が届く」で35%でした。
業務用の端末の整備を急ぐ必要があります。調査では「1人1台整備するべき」と答えた教員が47%、「一部教職員には整備すべき」が18%でした。私物スマホの禁止や制限が広がった背景には、情報漏洩や盗撮といった不祥事があります。公用の端末が行き渡れば、こうした不祥事を防ぐ手立ても取りやすくなり、保護者などとの連絡も速くなるはずです。
ただし妹尾氏は「ただ公用スマホを導入すればいいわけではない。アプリの導入などのルールづくりも重要だ」とも述べています。学校が業務用の端末を持つことは、教員の負担を減らすだけでなく、子どもの情報を守ることにもつながるので、整備が進むことを願います。
保護者が関与できる余地が1つ増えた — Instagramの自傷・自殺の検索通知
インスタ「自殺・自傷」検索したら通知…10代の見守り機能を導入
Metaは2026年8月13日(米国時間)、Instagramのペアレンタルコントロールを利用する保護者を対象に「10代の子供が『自殺』『自傷行為』に関連する用語を繰り返し検索すると通知を送る機能」を日本でも提供を開始したことを発表した。
Metaが米国時間の8月13日、Instagramで10代の子どもが自殺や自傷行為に関連する用語を短期間に繰り返し検索した場合、保護者に通知する機能を日本でも提供開始したと発表しました。
年齢確認が確実に行えているとは言いにくい現状で、こうした機能が加わること自体は大事です。保護者が関与できる仕組みは、ほかのサービスにも広げる余地があります。
気になるのは、検索される言葉のほうです。「自殺」「自傷」といった語は、子どもたちのあいだで別の言い回しに置き換えられている可能性があります。Metaは通知の対象となる行為に「自殺や自傷行為を助長するフレーズ、子どもが自分を傷つけたい意図を示唆するフレーズ、『自殺』『自傷』のような単語などの検索」が含まれると説明していますが、隠語にどう対応するかは今回の発表では触れられていません。
通知が届くのは、保護者と子どもがアカウントを連携している場合に限られます。今回の発表に学校への通知経路の記載はなく、連携していない家庭にはそもそも通知が届きませんが、SNSに関して保護者が子どもの様子に気づける経路が一つできたのは大きな一歩です。
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