Weekly digest
関新文科相の就任会見・千葉市の体罰・ハラスメント調査・香川県立校の時間外在校等時間 — 2026 年 9 月第 3 週の論点
9月17日に発足した第2次高市改造内閣で、文部科学大臣に関芳弘氏が就きました。千葉市教委は9月14日、教職員から人格や能力を否定する言葉などを受けたとの児童生徒・保護者の回答が281件あった実態調査の結果を公表しました。
今週の論点
- 働きやすさの環境整備と経済的負担の軽減は検討事項に — 関新文科相の就任会見
- 回答の件数は出るが、言動の前後は資料に載らない — 千葉市の体罰・ハラスメント調査
- 時間外在校等時間の全体平均は減り、校長と教諭等の受け止めは離れたまま — 香川県立校の8月報告
働きやすさの環境整備と経済的負担の軽減は検討事項に — 関新文科相の就任会見
新文科相の関氏が就任会見
17日に発足した第2次高市改造内閣で文科相に就任した関芳弘氏が18日、就任会見に臨んだ。文科省所管の政策分野について「人の可能性を引き出し、我が国の未来を切り拓いていく重要な分野だ」とした上で、「現…
文科相に関氏 第二次高市改造内閣
写真=自民党ホームページから 今回の内閣改造で高市早苗首相は、文科相に自民党の関芳弘衆院議員を充てた。関氏は初入閣となる。経歴は以下の通り。 せき・よしひろ 関西学院大卒、英ウェールズ大大学院修了…
こども政策担当相には中司氏
写真=日本維新の会ホームページから 高市早苗首相は、こども政策などを担う内閣府特命担当相に日本維新の会の中司宏衆院議員を起用した。中司氏は同党から初めての入閣となった。特命担当相として規制改革なども…
第2次高市改造内閣が9月17日に発足し、文部科学大臣に関芳弘氏が就きました。関氏は初入閣で、前任は松本洋平氏です。こども政策などを担う内閣府特命担当大臣には日本維新の会の中司宏氏が起用されました。同党からの入閣は初めてです。
関氏は18日の就任会見で、教師の仕事を「本当に尊い」と述べました。そのうえで、教員が働きがいと働きやすさを実感できる環境整備として、教職に就いた人の経済的負担の軽減などを検討するとしました。経済的負担の軽減は、文部科学省の令和9年度概算要求に「教師になった者に係る奨学金の返還等経済的負担の更なる軽減」として既に載っています。8月29日の号で扱った中央教育審議会の審議まとめ案とも地続きです。新大臣がその方向を引き継いだ形になります。
大臣が代わっても方針が変わったわけではありません。検討がどこまで形になるかを見ながら、さまざまな取り組みに期待したいところです。
回答の件数は出るが、言動の前後は資料に載らない — 千葉市の体罰・ハラスメント調査
「ふくよか」「レベルが低い」教職員の暴言281件 千葉市が調査
千葉市立学校の児童生徒・保護者から、教職員に人格や能力を否定する言葉などを受けたとの回答が281件寄せられたことが、市教委の調査で分かった。「ふくよか」「~に向いていない」「レベルが低い」などの言葉…
千葉市教育委員会は9月14日、令和7年度の体罰・ハラスメント等の実態調査の結果を公表しました。対象は市立学校の児童生徒(小学校・特別支援学校は保護者も)と教職員です。教職員から「人格や能力を否定する言葉などを受けた」との回答は281件で、「ふくよか」「レベルが低い」「ふざけるな」などの言葉が挙がりました。体罰を受けたとの回答は79件、セクハラと思われる言動を受けたとの回答は34件です。教職員間でハラスメントと思われる言動を受けたとの回答は80件で、市教委資料が併記する前年度の数値(69件)を上回りました。
教職員が児童生徒に人格や能力を否定する言葉を向けたのなら、それ自体が問題です。ただ、公表された数字からは、その言葉がどんなやり取りの中で出たのかは分かりません。市教委の資料では、聞き取りで認知した件数ではなくアンケートで「受けた」「見た」と回答した件数を、今回から公表する方式に改めたとあります。事実確認を行っており、確認した事案のうち懲戒処分に該当するものはなかったとしています。6月の号で扱った千葉県の調査と同じく、未確認の回答をそのまま件数として公表する形です。前後に何があったのかを示さずに件数だけを公表するのは、教職員に対してフェアではありません。
もう一つ、公表された調査項目は体罰・暴言・児童生徒へのセクハラ・教職員間のハラスメントの4区分です。教職員が児童生徒や保護者から受けた言動を尋ねる項目はありません。文科省の保護者等との関係構築のガイドライン(8月)では、委託調査に回答した563校の42.6%が令和7年度中に「過剰な苦情・不当な要求等」を受けたと答えました。教職員が受けた言動の実態を調べる調査も、市教委が同じ枠組みで行う余地があります。
時間外在校等時間の全体平均は減り、校長と教諭等の受け止めは離れたまま — 香川県立校の8月報告
香川県立校、時間外在校等時間減少も依然厳しい実態
香川県教委は8月下旬、県立学校に勤務している教員の働き方改革の進捗状況を公表した。昨年度1年間の平均時間外在校等時間は36時間20分で、前年から30分減少。本年度に入ってからはどの月も昨年度よりも減…
香川県教育委員会は8月27日の定例会で、県立学校の教育職員の時間外在校等時間を「業務量管理・健康確保措置実施計画」に基づいて報告しました。令和7年度の1か月平均は36時間20分で、前年度から30分減りました。今年度4〜7月は全体平均36時間54分で、月45時間を上回った教育職員の割合は4月に40.0%、月80時間を上回った割合は4〜6月に1割を超えました。
同じ報告に、今年3月のアンケートで「昨年度に比べて、ワークライフバランスや働き方改革を意識するようになったか?」と尋ねた結果が載っています。「かなりなった」と答えた割合は、高校等の校長で28.6%、教諭等で12.3%でした。8月29日の号で扱った都教委の調査とは設問も集計も違いますが、校長と教諭で受け止めが離れている点は変わりません。
改正給特法の附則は、令和11年度までに時間外在校等時間を月平均30時間程度に減らすことを政府の目標とし、教職員定数の標準の改定や支援人材の増員などを挙げています。新大臣の下で、長時間労働と、校長・教諭の受け止めの差がどう変わるかを、次の報告で確かめます。
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