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掲げた方針に、担う中身は伴うか — 負担軽減・猛暑の居場所・教員の専門性 — 2026 年 7 月第 2 週の論点

学校や教員の負担を「減らす」制度、子どもを猛暑から「守る」要請、教員の「専門性」をめぐる方針が、今週は相次いで示されました。掲げた方針に中身が伴うかを、3つの論点で整理しています。

今週の論点

  • 「減らす」制度は現場に根づくか — コンクール審査・文書半減・業務量管理
  • 要請は先に、仕組みは後から — 猛暑の居場所を誰が担うか
  • 新しい専門性を、誰が担い どう育てるか — 技術科の免許と裁量時間
働き方改革 猛暑対策 教員の専門性 学習指導要領改訂

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「減らす」制度は現場に根づくか — コンクール審査・文書半減・業務量管理

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学校や教員の負担を「減らす」動きが、今週は国と自治体の両面で相次ぎました。文部科学省は5月7日付の事務連絡で、児童・生徒向けのコンクールやイベントについて、学校単位での応募や校内での審査・取りまとめを要件としないよう各府省に要請しました。案内をさばき校内で取りまとめる作業は現場の負担になりがちで、これを断つ意義は小さくありません。もっとも平成31年にも同じ趣旨が周知されており、繰り返しの要請は、学校経由の慣行が根強いことの裏返しでもあります。

自治体の実績も出ました。山梨県教委は「文書半減プロジェクト」の令和7年度の状況を公表し、学校へ送る文書を全体の45.5%まで絞って半減を達成、小・中学校では2年連続、県立学校では初の達成です。ただ中身は一様ではなく、市町村立の小・中学校に限ると送付率は前年度の36.3%から42.0%へ上がり、学校へ送る割合はむしろ増えました。「学校に送らなければいけない文書が多かった」と担当者は話します。

制度が現場に届くかという差は、業務量管理計画にも表れています。改正給特法が全教育委員会に策定を義務づけたこの計画について、4月1日時点で都道府県・政令指定都市は全教委が策定済みだった一方、市区町村では約2割が未策定でした。策定した市区町村でも、計画を公表しているのは6割程度にとどまります。義務化はされても、実施と公開まで足並みがそろうかは別だという現実がうかがえます。

負担を減らす制度や号令は着実に積み上がっています。問われるのは、それが末端の学校や教員の実感に届くかどうか——「出す」段階から「根づく」段階への移行に、まだ差が残っています。

要請は先に、仕組みは後から — 猛暑の居場所を誰が担うか

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文部科学省は7月3日、夏休み中に学校施設などを開放するよう求める事務連絡を全国の教育委員会に出しました。物価高で困窮家庭が冷房の使用をためらう例もあり、子どもが安全に過ごせる涼しい場所を確保する狙いです。命や健康に直結する「守り」の要請であり、必要性そのものは論をまちません。

気になるのは順序です。文科省は公民館や図書館などの活用や、企業・大学・NPOといった多様な主体との連携を呼びかけていますが、いずれも「呼びかけ」の段階にとどまり、誰がどう運営し、人手や費用をどこが担うのかという受け皿の仕組みは、要請と同時には示されていません。記事でも教員の負担増を懸念する声が上がり、担当者は「働き方改革の重要性は認識している」として、学校や教員だけに対応を迫るものではないと説明しています。

子どもを猛暑と貧困から守る目的は正しく、急ぐ理由もあります。だからこそ、事務連絡を出す前に、地域の誰が担い、どこが支えるのかという仕組みを先に組んでおくべきだったのではないか——先に見た負担軽減と裏表で、ここでも問われるのは、良い方針を現場任せにしない設計です。

新しい専門性を、誰が担い どう育てるか — 技術科の免許と裁量時間

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次期学習指導要領は、中学校の技術科を「情報・技術科」に再編するなど新しい専門性を求めます。ところが担い手の足元は心もとなく、令和7年度に公立中学校で技術科を担当した教員9649人のうち、臨時免許状や免許外の教科担任で教えていたのは4人に1人にあたる2406人にのぼります(臨時免許543人、免許外1863人)。新しい専門性を求める以前に、いまの専門性すら十分には満たせていない構図です。

文科省は令和10年度までにこうした指導をゼロにする目標を掲げ、教育委員会に大学との連携や免許法認定講習の受講奨励を求めています。4人に1人が臨時免許・免許外という状態は、授業の質に直結します。認定講習などを通じて臨時免許で教える教員が計画的に単位を積み、正規の免許取得や安定した配置へ結びつけていく——担い手を「数」だけでなく「資格」から立て直す道筋が要るのではないでしょうか。

専門性は、教員が学び続ける時間があってこそ保たれます。文科省は7月8日、中央教育審議会の総則・評価特別部会で、小・中学校に導入予定の「裁量的な時間」を年間70コマ(週2コマ程度)を上限とする案を示しました。うち教員の組織的な学びに充てる「研究・研修等枠」は最大35コマで、授業研究や教材研究の時間を制度として確保しようという発想は前向きです。

ただ、時間の「枠」ができることと、それが専門性の向上に使われることは別です。運用は学校の裁量に委ねられるだけに、この時間が目先の対策——たとえば全国学力テストに向けた問題演習のようなもの——に流れないよう注意が要ります(記事がそうした使い道を挙げているわけではありません)。研究・研修等枠は、教員の力量そのものが上がる使い方にこそ充ててほしいところです。先に見た負担軽減と同じく、問われるのは、掲げた理想を数字合わせで終わらせない中身づくりです。

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